そこには、松葉杖を此方に向けて笑う奏先輩が見えていた。
って、私に松葉杖を振っているのかな?
控え目に手を振り返すと、弧を描くように回すのでちょっただけ笑ってしまった。
『あ、新道先輩じゃん』
『あれ、何やってるんだろ』
『やーん。かっこいい』
段々とクラスの皆も気付き始め出した頃に、体育の先生に松葉杖を没収された。
大げさに落ち込む奏先輩に、また少し笑いが向けられる。
だから、
それに気づいた凛君が無言でカーテンを閉めたのは、きっと日差しが強かったからだけで、
足を怪我させた罪悪感からではないと信じたい。
その表情が、余りにも暗くて、考え込んでいる様子だったので、
カーテンを閉められて不満そうだった皆も、何も言えずにまたプリントを解く方に気持ちを切り替えていた。
何に悩むのか、やっぱり知りたいよ。凛君。



