【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―



――やっぱり一緒にサッカーしたいよね。ダンスだって習ってるって言ってたし。


二週間だと分かっていても、なんだか私まで、寂しくなる。



「あと10分で解答配るからな」

ピシャリと言われたその言葉が、なんだか私に言われたような気がして、慌てて問題に目を移した。

去年の英語の過去問だったので、見覚えがあるし、マークシートだから簡単に解けていく。

でも簡単に解けるのは、凛君が逃げ回る私を、一年の教科書から復習に付き合ってくれたからで、
眠ってしまったり根性なかった私を、本当に根気強く見てくれたから。


でももし落ちてたら私立の滑り止めで、凛君と学校が被らなかったかも?

『ね、見て見て、あき』

柊が小声で私を呼ぶと、少しだけ問題用紙をスライドさせた。

問題用紙には、デフォルメされ、チビキャラ化された凛君のイラストが描かれていた。

『ぶほっ』

『ばか、声大きいって』

思わず噴き出した私を柊は睨みつける。


恐る恐る凛君を見るが、腕時計に目をやっていて、――セーフ?

『このプリント後でちょうだい』

『あんた、ちょっとイタいよ、それ』

柊が苦笑する更に、奥の窓の外。


――あれ?