【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―



窓の外を見ると、ぞろぞろとグランドに出てくる先輩たち。
その中に松葉杖をついている奏先輩を見つけた。

パイプイスに座ると、ちょうど体育の先生の真後ろに座って、体操を始めるクラスメイトに松葉杖を振りまわして応援していた。

――怪我しているのに元気なんて、先輩らしい。


ついクスクスとニヤケていたら、頭をポンッと叩かれた。



「早く、立ってください。七瀬さん?」

「!?」

頭を教科書で叩いたのは、





凛君だった。



「え、うわ、あああああ!!!!」

ガタタタン

慌てて立ちあがったら、クラス中から笑われてしまった。

……ってかなんで?

なんで、凛君が居るの?

朝、起きたらすでに居なかったのに。
ネクタイして、髪も整えて、……かっこいい。


「二年とサッカーがしたいならどうぞ」

「――すいません」

真っ赤にして謝ると、クスクスと笑われた。

みんなの視線が痛い中、挨拶も終えて座る。