『バスケみたいに、俺の為に勉強にも夢中になってくれ。
本気だって、信用させてくれ』
その時の凛君の目は、静かなのに燃えているみたいで怖かった。
いつもとなりに居てくれているような凛君じゃなくて、大人の凛君だった。
『そうしたら、俺も正直なあきへの気持ちをぶつけるから』
その言葉を信じて、受験勉強も頑張った。
そこ言葉を信じて、合格通知を持って凛君に会いに行ったの。
……思えば、いつも家に来る凛君を待っているだけだった。
あの日みたいに、泣きながら自分から行かなきゃ、逃げても駄目なのかも知れない。
凛君の家に行くと、まだ車はあった。
よくよく考えてみても何時に出勤しているのか、私は知らない。
冬にはスノボが屋根に取り付けられる、凛君のエクストレイル。
……しばらくは乗れなくなるのかな?
「あき?」
ボーっと車を見ていたら、スーツ姿の凛君がドアを開けた。
靴を地面にトントンしながら、私をじっと見つめてくる。
「おはよ。ジョギング?」
「……おはよ。そうだけど、凛君に会いに来たの」
凛君は、周りを見渡しながら小さくため息を吐いた。



