『毎日やってたら自分では気づかないかもしれないけど、あきは上手くなってるよ』
『本当!?』
『うん。もう3点シュートもできるんじゃないかな』
そう言って、ベンチの飲み物を取りに行こうと凛君は、歩きだした。
その背中に急いで手を伸ばし、シャツを掴む。
『毎日思ってたら、凛君は気づいてるんじゃないの?』
凛君の背中からは返事が何もない。
でも気づいて欲しくて言った。
『凛君が好き。ずっとずっと一緒に居てくれた凛君が小さいころから好きだったよ』
ピクリと、止まっていた右手が動き出した気がした。
『だから、こっちを見て。ちゃんと私を見て欲しい』
そう偉そうに言ったくせに、手は震えだし、ボールが足元に転がってしまっていた。
高校までは凛君もバスケ少年だったのに、大学のバスケ同好会に入ると飲み会やらでなかなか家に来るのが不規則になっていった。
バスケ同好会なんて名ばかりで、ちょっとパス回しして遊んだら皆で打ち上げと称して飲むだけのサークルだってお母さんが笑っていた。



