【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―



その優しい言葉は、私の心を揺さぶった。

縋りたくなるような、優しさに、
――甘えてしまえたら楽だった。



先輩を好きになっていたら、マネージャーをしながら先輩と付き合って、
部活が終わっても一緒に帰れて、ディズニーランドにも行けて、

こうして外で一緒にいてくれるのに。


「先輩、ありがとうございます」

――先輩を好きになりたかった。
今からでも遅くない。



なのに、凛君が好きなのは、なんでだろう?


「まだ出勤してないだろうし、ちょっと会ってきます」

「うん。行っておいで」

先輩は優しく見送ってくれたから、私は頭を下げると凛君の家に向かった。




『ジャンプとシュートのタイミングがあってない』

『タイミング…?』

『そう。後は肘を素早くあげてさ、もっと手首をやわらかく』

凛君のアドバイスは的確なんだけど、頭では理解できても体は上手く動いてくれない。
自分で覚えなきゃいけないし、そのアドバイスに見合った動きを求められた。