「俺は努力してるアピールは嫌いだし、練習してないように見えるのに上手い方がカッコいいじゃん?」
そう言って、私の飲みかけのジュースを奪うと飲み干す。
「俺が中学の頃からこっそり努力してたのは、好きな人さえ知っててくれたらそれでいいよ」
そ……。
そう笑う、奏人先輩の笑顔に心を奪われそうになる。
吸い込まれるような、真っすぐな笑顔。
胸が甘く痛んで、体が痺れそうな、笑顔。
魅力的だからこそそう感じてしまう。
「俺も、あきが頑張ってるの知ってるよ」
「先輩」
こつん
空になったペットボトルで軽く頭を小突かれて、なんとなく真っすぐ見れなかった奏人先輩の顔を見た。
――それは酷く寂しげな、笑顔。
「あきにさりげなく話しかける前からずっと知ってたよ。
んで、誰を目で追っているのかも」
「……」
言葉が出てこない。
「俺、シュートを決めたら付き合ってって泣きながら告白してるあきも見てたよ」
「!?」
「でも、幸せそうな表情をしないのが、ずっと気になってたんだ」



