【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―

メールも送ったけど返事はない。

いい加減、人の気持ちを揺さぶるのは……止めて 欲しかったな。

ちゃんと言葉が欲しい。凛君のそのくそ真面目な 気持ちを、隠すことなく教えて欲しかった。

数学のプリントを見つつ課題に取りかかる。もち ろん答えのまる写しはしない。 分からない問題だけは、式の仕方を覗いて教科書 でその式を調べる。

花音たちとLINEで答え合わせするときよりも グンと早くなったから助かった。 今は頭が整理出来ていないから特に。 「できた~~」 パフン

ベットに倒れこんで、勉強から解放された喜びを 噛み締めている時だった。

LINEの新着通知が届いて、すぐに携帯をスラ イドさせた。

――凛君?

『プリント、毎回満点だと怪しまれるから、適当 に間違えろよ』

バスケボールのアイコンで来たのは、もちろん奏 先輩だ。 ホームを見ると、今帰宅~~っと書きこみしてい る。

『ありがとうございます☆ 部活遅かったんですね』

そう送るとすぐに、落ち込んだ顔のスタンプと メッセージが届いた。

『深雪が改装中の所でペンキを蹴飛ばしてさ。 俺と深雪と凛ちゃん先生で拭いてたんだ。まじで 疲れた~~』