【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―

凛君のなりたい先生像は両親で、だからこそ『生 徒と付き合う先生』という不真面目な関係は許せ ないのかもしれない。

「キスしたのは、凛君からなのに。――邪魔だか らって、私の気持ち、無かったことにしないで」

ポロポロこぼれ落ちる涙。

ドアも窓も開いている今、誰かに見られたら誤解 されてしまうかもしれない。

でもわたしは、凛君なんて困ればいいと思った。

凛君なんて、先生って肩書なんてどうでもいい。

さっきの、しまったと苦い顔をした方がショック だから。

優しくて真面目な凛君は、私にはっきり言えない のかもしれない。

けれど覚悟を決めてそれを告げられたら?

私の気持ちを否定されたら?

それが怖くて、先に凛君を困らせた。