【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―

「えっと新道先輩……?」 「奏人(かなと)。奏人って気軽によんで」

そう言われたのでお言葉に甘えて、奏人先輩と呼 ぶことにした。

奏人輩は、話上手で聞き上手。 朝のバスケ稽古を止めたのは、受験がヤバかった からだと伝えると、ケタケタと笑ってくれた。

うんうん、それで?

あはは、数学が苦手なら俺が教えるよ~

つまらない話にもぐいぐい乗ってくれる。

最近、凛君と目を見て笑って話していなかったか ら、とても嬉しかった。

「じゃぁ、足ヶ瀬先生は、兄みたいな存在なん だ。でも分かる。あの先生、面倒見良いし、めっ ちゃ話しやすいし、真面目だけどそこが信頼でき るよ」

兄みたいな――。

そう言われると胸が痛む。

この前まで、その関係が嫌だったから。 今は更に距離が出来ている気がする。