【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―




「あきちゃんってさ、よくこのコートで足ヶ瀬先 生とバスケの1on1してたよね?」

「えっ」

「んで、大会が終わったら、パッタリと来なく なったでしょ?」

クスクスと先輩は笑うと、無造作に髪をかきあげ た。

その横顔は優しいんだけど、高校生になりたての 私には大人っぽく感じて、なんだかドキドキして しまう。

「せ、先輩はその頃もジョギングしてたんです か?」

そう尋ねると、首を振って、公園の方を指指す。

「時間あるなら、座って話さない?」

「……え?」

「うん。なんかあきちゃん疲れた顔してるし座ろ う。ほら」

半ば強引に腕を掴まれて、公園に一緒に向かう。

強引なのに、真っすぐで屈託のない笑顔を見たら 嫌だとは思わなかった。