【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―





眠れなくて、馬鹿みたいに泣いて目も痛くて、
花音たちとの待ち合わせ時間よりも二時間早く起きてしまっていた。

カーテンを開けると、凛君の車はまだあり、出勤していないようだ。

頭を切り替えたくて、ジャージに着替えると、
中学時代に朝、ランニングしていたコースを走ることにした。


髪は結びたかったけど、せっかくかけたストパーがとれるのが怖くて、そのまま髪を揺らしながら走ることにした。



久しぶりの朝の空気。

川沿いの道は、早朝でも犬の散歩や私のようなジョギングをする若い人、お散歩する老夫婦などで賑わっている。

「あれ、あきちゃん?」

走るコースも向こうからやってきたのは、昨日の新道先輩だった。

……びっくり。名前、知ってるんだ。

「おはようございます。早いですね」

「大会前はこれぐらいから朝連があるんだよ。でも今は体育館の改装中だから、コートが交代でしか使えなくて。朝連もバレー部や卓球も使うから、各自ランニングになってるんだよねー」
そう言いつつ、先輩は横に視線をずらした。

私もその視線の先を見ると、そこは砂を敷いてある簡易な公園で、バスケゴールがポツリと置いてあるだけだった。