それに泣いてる私を抱きしめてくれないんだから。
ただただ、ぼーっと窓から凛君が帰って行くのを見ていた。
家庭教師をしていた時は、自分の家のドアを開ける前に私の方を振り返ってくれていたけれど。
『先生と生徒』になってからは、一度も此方を見上げてくれることは無くなった。
真っ暗な一軒家に一人、凛君を帰らせるのは、とても胸が痛い。
うちの家は賑やかなのに、凛君の家は、リビングだけにポッと明かりがともるだけ。
その小さな明かりの中に、凛君が一人でいると思うと、傍にかけよりたくなるの。
真面目で、嘘が嫌いで、まっすぐで。
そんな凛君が大好きだったけど、
今は、その真面目さが憎い。
私の恋心。
受け取ってもらえたはずの恋心。
今はどこにいけばいいか分からない。
行き場のないこの気持ちが、わたしの心を蝕んでいく。



