【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―



「どこが分からないって?」

しばらくして。ノックもせずにドアが開かれた。

でも私は、ベットから顔も起こさず寝たふりをする。

――分からないのは。凛君の気持ちだよ。

私が通う学校の先生になったからって、付き合うのやめなきゃいけないの?

「……あき?」

心配げに名前を呼ばれてしまい、のそのそと起き上がる。
「私、学校では秘密にできるよ? なのに『先生と生徒』で三年間過ごすの?
恋人にはなれないの?」

「恋人だよ」

それは、あっさりと、そしてきっぱりとした返事だった。

「俺もあきは好きだよ。でも分かって欲しい。
こうして今まで通り
あきの家でご飯食べたり、部屋で勉強教えたり、そんな関係を継続して欲しいんだよ」

「恋人として?」

「……ああ」

静かにそう頷く凛くんに涙が浮かんできてしまう。