「――じゃあ何で、奏と同じ高校に居るんだと思う?」 「……は?」 「何でか考えてみて。宿題だから」 そう言い残し、空になったやかんを洗いに水道へ歩いて行く。 ――なんだ、それ。 分かりたいような、知りたくないような、ずっと逃げていて、蓋を閉じていたある気持ちが浮かんできそうになって、必死で首を振った。 今は、――まだ。 その気持ちの名前を知るのが怖くて。