もう少し、小さい時みたいに、太一も深雪も素直な気持ちを話してくれたらいいのにな。
「今日は外周走るから、お茶多めに頼むな」
「もちろん、任せて」
また穏やかな笑いに戻って少し安心した。
全員が走りに向かい、自転車で凛君先生と佐々木先生が追いかけて行く。
二人になった俺らは、お茶の準備をしながらちょっとだけ沈黙していた。
「そういや、俺を初めてふった奴って深雪なんだけど覚えてる?」
「うん」
深雪は即答するとやかんのお茶をコップに注ぎ始める。
「あの後、たいちゃんに気持ちを伝えたらね、たいちゃんは奏は誰にでも優しいんじゃなくて、周りを良く見て、世話をやくリーダーみたいなやつだからだよって褒めてね、私の告白なんて覚えてないんじゃないかな」



