【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―


「何それ、私のせいなの?」


深雪は苦笑しながらも隣に座って続きを促してくれた。
ぽつぽつと体操服に着替えた部員が集まり出しても、深雪は口数少なく話をただ聞いてくれる。


「ああ。お前みたいにセンスある奴が褒めるなんて、気になっちゃうじゃん。

でもやっぱ深雪の目は間違いないよ。あの子、一途で真っすぐで応援したくなるような良い子だった」
そう言った後、深雪は小さくため息を吐くように笑う。

「奏も良い子だよ。失恋したのにまだ相手を褒めるなんて」

「そうか?」

「で、私は馬鹿。大馬鹿」

「?」

「いつまで私らは良い子で居られるんだろうね」

そう苦笑して後、時計を指さして『時間だよ』と立ちあがった。


深雪は最近、よく寂しげに笑うようになった気がする。

でもそれは太一と何か合ったからなのか、
バスケが出来ないのにマネージャーをしている為のストレスからなのか、
別の悩みがあるからなのか、

――俺には分からない。