【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―


俺は、きゃーきゃー騒ぐような活発でぐいぐい来る子たちにちやほやされる事が多い。

それは目立つのが好きな俺としては嬉しいし、そんな子とばかり付き合ってきたりする。


でも太一を好きになる女の子たちは、大人しいっていうか図書室から練習を覗くような控えめな子たちばっか。

純情で一途な子が多かった。



「お前は何で深雪があんな派手なメイクにしたのか本当に分かってないのか?」


「高校デビューって言ってたぞ」


「…………」

太一は苦い顔をすると、俺の親が持ってきたジュースを飲み出す。

それだよ。それ。

言いたいことを我慢する癖。


これが硬派で物静かな印象を与えるんだよな。



「お前、もう少し深雪の気持ち考えろよ」

「深雪の気持ち?」


「いつまでも四歳のままじゃねーぞ」


バシッ
背中を叩かれたら、ヒリヒリと骨に響いた。


無言の圧力と言うのかな。


「お前、言いたい事ははっきり言えよ」

「なにが?」

「幼馴染みの俺の前ぐらいは本音隠すなよ」

ぶーぶーと文句をたれるが、太一は表情を崩さなかった。




「幼馴染みだから言えないこともあるんだよ。馬鹿奏人」