【完】両想い予備軍 ―みんな誰かに片思い―



「私もまずはこの絵を完成させようかな」

そう切なく笑う柊だったが、やる気を出したいようだったので、私も美術室を後にした。


「……」

「……」

「何してるんですか、奏先輩」

美術室を出てすぐ、壁にもたれて座る奏先輩がいた。

――てっきり出て行って、とっくに居なくなったかと思っていたのに、顔を両手で覆って座り込んでいる。

「女子トーク、まじで可愛い」

「はい?」

「きゅんってきた」

「~~!? き、聞いてたんですね!!」

ちょっと自分語りをいっぱいしちゃったから恥ずかしいのに!
まだ悶えているのか、プルプル震えて顔をあげない先輩に苦笑してしまう。

「せっかく罰ゲーム使って、マネージャーになってもらおうとしたのに」

「ふふふ。ごめんなさーい。先輩には、いっぱいいっぱいありがとうって気持ちはあるんですけど」

「愛を取ったんだろ。しょうがねーなぁ」

やっと顔を出した奏先輩も清々しい顔をしている。

「俺も、あきちゃんたちみたいな恋人同士に探なりた~い」

「私、先輩に片思いしてる人、知ってますよ」