寝ている彼の横で幸せを噛み締める。

あたし一人では感じない、二人だからこそ感じる気持ちに。



「…ん…」

朝御飯を作ろうとゆーっくりゆーっくり

彼の手を避けていると、

彼がうっすらと目を開けた。

「…やだ…」

そうつぶやくとはがしたはずの腕にまた捕らわれる。

安心したようにまた寝息が聞こえる。

二人同じ気持ちを共有できていることに泣きそうになる。

普段声にしなくてもそう感じている。

でも、たまに不安になる。

あなたがそんな不安定なあたしを捕まえてくれるから

今日も頑張ろうって思える。



「…あと5分だけね。」

ぽつりと呟き、

彼の唇に軽くキスをして、彼を抱き締め返した。