部長が言うように、私たち姉弟はちょっと行きすぎた姉弟の関係かもしれない。
お互い、遠慮しなくてもいいし小さい時から分かっているし楽な存在だもん。
逃げだと言えば逃げだと思う。
けど私は今、侑哉に彼女が出来たら、祝福できるかな?
また心のバランスが壊れてしまわないかな。
――置いて行かれるような、寂しい気持ちから今度は何処に逃げるんだろう。
そう思ったら、部長が帰って来ないまま始まったイルカショーが、全然頭に入って来なかった。
イルカと触りたい人、と、飼育員さんが会場に声をかけると何故か子ども達に混ざって、侑哉と明美先生も必死で手を上げていたけど。
イルカのジャンプする水しぶきで、明美先生のハンカチなんて意味がないほど濡れて、笑いあってる二人を見ながら、――私だけここに馴染んでいないような気分になった。
「悪い。混んでてなかなか席に戻れなかった」
煙草の匂いをつけて部長が戻っても、普段通りに振る舞えなくて下を向いてしまう。
――こんなうじうじした私、嫌になる。
明美先生たちが眩しくて、みじめだ。



