言い争ってお互いの足を踏みあっているうちに本当に遅刻ギリギリの時間になってきたので、慌てて外へ飛び出す。
「ちょっ みなみ 待って!」
「私、靴に時間が……」
うあ。ドアを開けて直ぐに、駐車場に黒いAudiが停まっているのが見えてしまった。
「わーい。みなみ先生!」
ふんわり巻き毛カールした髪に、レトロな大柄花びらの黄色いミニワンピ。
確かに私の化粧なんて無駄に感じるぐらい、明美先生の服装から髪型から、若さを感じてしまう。
「待ち合わせ場所で、橘さんに会ったから私が案内して此処まで来ちゃいました。やーん、みなみ先生も可愛いー!気合入れてるじゃないですかっ」
にこにこと私の格好を見るけど、水色のブラウスに黒のロングスカートの無難な格好なのですが……。
「遅い。待ち合わせには10分前に来い」
車の前で偉そうに腕組をしているのは、サングラスをした部長だ。
ワックスで後ろに流された髪も、よく見たら高級ブランドの白いTシャツも。
ごつくて、長い指に良く似合う腕時計も。
――隙が無いです。
強いて言えば曇っているのにサングラスは要らないかなってぐらい。



