「俺、飛鳥さんとこでバイトしようと思う。バイクの為にバイトしてたガソスタは辞めたし」
合コン帰り、部長が送ると皆を乗せる中、私は侑哉に腕を掴まれてそのままバイクのヘルメットを渡され、有無も言わさず連れて帰られた。
でもそれは助かったと思う。
これ以上、部長とは二人で会ってはいけない。そんな気がして、怖いんだもん。
「明美先生と同じ高校なんだねー」
「えーー?」
夜風が全身に当たり、肌寒いを通り越して寒い帰り道、侑哉を抱きしめながらそう言う。
「明美先生!!! 同級生なんだね―――」
「あー、うん。びっくししたよ!」
風が邪魔して上手く会話が進まないので、それ以上は何も言わず、背中を強く抱きしめた。
すると、後ろからライトをチカチカされ、部長達に追い抜かされてしまう。
一瞬、目が合った気がするのは気のせいだ。気のせい。
「車、良いな――」
信号にひっかかった私たちを置いて、車はとっくに豆粒のように小さくなって消えて行く。
あの車、今日届いた新車だとか自慢してたし、車の中は新車独特の革の匂いがしていた。



