帰りたい。もう既に帰りたいです。

和やかに私にも明美ちゃんにも話しかけてくれる 有沢さんのおかげで、和気あいあいとしてるし、 明美ちゃんののんびりした可愛い声で笑われる と、ほのぼのしちゃうけど。

部長が睨んでくるんです~~! 珈琲と煙草を交互に飲んだり食べたり。 美味しいのかな?

「みなみ、来い」

「!?」

血液型診断で盛り上がっていた二人が、橘部長を 凝視する。

「俺はお前、有沢はそっちに話があるんだから 席、隣に来い」

ポンポンと自分の席の隣を叩きながら、淡々とそ う言う。

これが仕事ならば喜んで隣で勉強したけど、何を 考えているのか分からないからちょっと嫌です。 私が固まっていると、明美先生が可愛く首を傾げ て私たちを交互に見た。

「えっと、橘さんはみなみ先生狙いだったんです ね~」