この自分の根性の無さや気の弱さに嫌気がさして いる時、外に黒のAudiが止まるのが見えた。 そんな、いかにもなのに部長が乗るはずないし、 確か部長は電車で帰って来たし。
そう思いつつも、車から降りたのは、黒のTシャ ツにジーンズ姿の 部長と、仕事帰りなのかスーツ姿の有沢さんだっ た。
「え~~! 見て見て! みなみ先生! あの 車、カッコいいですね~」
車ばかりに目がいってくれて感謝しつつも、更に テンションが上がったのか、明美先生は念入りに 化粧のチェックをしつついそいそ立ちあがる。
「迎えにいきましょーよ」
「え!?」
ふんわりと明美ちゃんのスカートが翻り、スキッ プに似たステップで階段まで歩いて行く明美ちゃ ん。
「も、もしかして明美ちゃんって合コン初め て?」
「へ!? やだ! 分かっちゃいますか!?」
歩くのを止めて両手で顔を抑える明美ちゃん。 わー、初々しい明美ちゃんにますます有沢さんは 合わないし、合コンに連れて来たことに後悔して しまう。
「お待たせ~。明美ちゃん、みなみ先生! 二人 とも立ちあがってどうしたの?」
爽やかな有沢さんが先にやって来ると、明美ちゃ んは少女のような笑顔で下を向く。
「おっ 良い景色じゃねーか」
携帯と煙草を手に持ってふてぶてしくそう言う橘 部長も、私を見るとフッと意地悪そうに笑う。



