【完】神様のうそ、食べた。



奪い返そうとしても背中を上手に向けられて、取 り返せない!

「うん。じゃあ後で連絡させる。今度から、ご飯 の時間とか非常識な時間以外で電話して」

そう言うと乱暴に切る侑哉に、どう怒っていいの か分からない! てか、部長に敵意を向けすぎだから!

「――みなみを見てると、イライラする! 嫌なら もっとはっきり断れば良いんだ。俺、みなみが断 らないなら俺がビシっと言うから! あと」

席に着くと、テレビの番組を変えながらため息を つく。

「そんなんじゃ、みなみ、ずっと幸せにならない から! 俺とずっと居たいならいいよ! 別 に!」

「ごめんってば。そんなに怒らないでよ~」

苦笑しつつも、私もお茶を継いで侑哉に渡す。

「俺の傍なら、――もう傷つかないから。楽だよ」

――いただきます。

そう言うと、話しかけるなオーラを放ちながら、 侑哉は肉じゃがのジャガイモをお箸で差して、頬 張る。 お母さんそっくりな味の、薄くて甘い肉じゃがを 頬張りながら私も自分自身に活を入れる。 ――逃げて此処に来たのに! 全部弟に尻拭いさせ て恥ずかしくないのか!

――このままで本当に良いのか……。

変らないなら侑哉はずっと心を痛めてくれるだろ う。 それに甘えて傷つけるか、それに甘えて一歩踏み 出すのか。

――どちらにしても、侑哉の負担は多い。

「……頑張るよ」

明美先生狙いの有沢さんと元上司との合コンだも ん。 進展も新鮮もないただの飲み会。仕事の飲み会だ と思えばいいんだから。 ￿