――冷たくしたいのに、憎めない表情をする有沢さんも営業は天職だと思う。
「じゃぁ昨日帰って来たんだね。昨日の夜なら全然話足りないじゃないですか。俺も蓮川先生には言っておきたいことがあるんですよね」
ぜ、全然話足りなくない。
でも、疑問は山のように出来た。
聞くのは怖いけど、昨日まで天より高い位置に居た尊敬できるはずの部長が、ぐいぐい視界に入ってくるんだもん。
どうしていいか分からない。
「いいじゃないですか! ね、楽しみにしてますからね~」
「ちょっ 有沢さん!」
用件だけ言うと、さっさと門から出ていたしまった。
――逃げ足だけは速いんだから。



