【完】神様のうそ、食べた。



「蓮川先生」

園庭の草むしり中に登場したのは、有沢
さんだった。

さっき園長先生と話しているのが見えたけど、終わったんなら帰ればいいのに。

「明美先生って彼氏いるんですか?」

いきなりそう話しかけられて面食らう。
仕事中だというのに、なんて自分に正直な人だろう。この人は。

「さぁ? あの、仕事中なので」

私がバスに乗ったばかりに、明美先生も帰りのバスに乗るようになったらすれ違いになってしまってる。だから、朝の混乱した気持ちも話せてない。

というか、話せないか。

「まぁいいや。彼氏居たら合コン来ませんよね」

「私も行きませんよ」

そう言うと、有沢さんは目をパチパチさせる。
この人、イケメンさんなのに、飾らないというか表情がくるくる変わるというか。
部長と違って分かりやすい。

「でも、橘さんは君に会いたがってますよ」


「もう昨日会いました。しっかり明太子のお土産まで貰っちゃいました」

そう言うと、有沢さんは『橘さんらしいや』とクスクス和らげに笑う。