全然分からない。
橘部長の事がやっぱり全然分からない。
仕事バリバリ出来てて、常に自然な笑顔が貼りついていたんだよね。
『光の森』は主に幼稚園や保育園に営業に行くから、子ども達と会話したり、お茶を持ってきてくれる先生に愛想振りまくと、要望とか自然に聞き出せたり、贔屓してくれたり。
あれは部長の甘い笑顔が大きいと思うんだ。
「みなみ先生大丈夫ですか~?」
「ほぇ?」
「朝礼中ずっとしかめっ面でしたけど、お腹痛いならバス私が乗りますよ?」
明美先生は、私の顔色を本当に心配そうに覗きこんでくる。
やばいやばい。仕事中に関係ない事でぼーっとしてしまった。
「大丈夫だよ。明美せんせいは同じクラスの先生がバスに乗ってるから居なくなったらダメだしね」
イケない。イケない。集中しよう。
侑哉も部長に何を言われたか知らないけど、飛鳥さんの居酒屋で潰れて帰って来なかったし。
部長が嵐を呼んで来なきゃいいけど。



