【完】神様のうそ、食べた。



別に営業の仕事が嫌いで逃げてきたわけじゃないもん。
そう部長の意見をさも一般的な意見の様に言ってくるのはどうかと思う。

で、デリケートな問題なんだから。

「言いたいことは、目で言うな。俺はエスパーじゃねぇぞ」

「い、言えません。来てくれたことには感謝してますし、会えて嬉しいですけど、
――受け入れるのに時間が掛かる問題なんです。簡単に話せる軽い話じゃないです」

「誰が軽い話を聞きたくて有給使って会いにくるかっての」

ヂリッ

まだ半分以上残っている煙草を灰皿に押し付けながら、部長はそう言う。


睨まれると、身動きが取れなくなる。


「有給?」

「お前を連れ戻しにきた」

その言葉に目を見開いてしまう。
こんな小娘一人、部下だってだけで連れ戻しに来るなんて。


普段の冷たそうな部長からは想像できなかった。

クールで、営業の時だけ怖いぐらい笑顔になって。

感情なんて読めなかったのに。


「暫く居るから。俺が呼んだら直ぐに来い」