そう言った彼の言葉が、今もずっと胸の中で燻っている。

散々、彼の母親から女の価値がないと罵られた私を、





――抱きしめて、優しく触れてくれたのは侑哉だったから。




ゆっくり私の額にキスを落とす。

まるで神聖な儀式の様に、大事に大事に触れてくる。


震えてたのは、侑哉もその行為が初めてだったから。


怖いくせに、何も分からないくせに、リードしてくれようと頑張ってくれた。

この先を越えてしまったら私たちは姉弟の関係が壊れてしまうギリギリラインまで立たされたけれど、侑哉は『女』としての私が消えないように、何度も何度も触れてくれた。




泣きすぎた私の頭は、酔ってふわふわなような、麻酔でぼんやりしたような、息も上手く吸えない状況で、


――侑哉の体温にしがみ付くことでしか、自分を守れなかった。