苦くて、でも仕事の時の怖い水樹さんが思い浮かべられるような。
あの煙草の匂いを嗅ぐと、あの日、むしゃむしゃ食べてくれた日の部長を思い出す。
あの時から私は部長に囚われた。
――逃げ出さないって。
「煙草の匂いより俺を好きになれば良いだろ?」
それ以上は言わせない、と言わんばかりに熱くて深いキスをされる。
するすると指が触れてきてくすぐったい。
「あの」
「ん?」
尋ねようとしても何て言っていいか分からず、赤面してしまう。
「こ、ここソファで、す」
「タオルケット被ったら分からねーよ」
そう言う問題じゃ、ないです。
「――何て言うか分かるだろ?」
水樹さんはちょっぴり意地悪に、そして極上に甘く笑う。



