「……水樹さん」 両手で頬に触れると、そっと唇に口づけする。 仄かに香るのはアルコールだけで。 水樹さんからは煙草の臭いは消えていた。 「お前、キスとか煽ってんだろ?」 そう言って、意図も簡単にネクタイをほどいていく。 ボタンを外していく長い手も好き。 ハラリと落ちてきたYシャツを顔に寄せて匂いを嗅ぐ。 「ん? そんなの抱き締めなくて俺を抱き締めろ、ほら」 そう言われて苦笑しつつも、言う。 「水樹さんの煙草の匂い……好きでした」