「食べないんですか?」
「今食べたら眠る。すげー疲れててさ」
やっぱり家を継ぐのって大変なんだろうな。
水樹さん、それでも疲れた顔しないでいつも優しくて。
ずるい。
一人だけ頑張ってずるい。
弱いところ見せてくれたっていいのに。
「私、私が洗い物しますから水樹さん、着替えて楽にしてて下さいね」
……少しでも負担を軽くしてあげたい。
私が水樹さんに助けられた時のように。
お皿を洗い、布巾で拭いていると『まことせんよう』と書かれたふりかけや、熊や戦隊物のコップなどが目に入ってくる。
それが、可愛くて自然と顔が綻ぶ。
水樹さんと真くんの存在があちこちに見え隠れするこの空間。
……私もいつか入っていいのかな。
そう考えると少し切なくなった。



