「さ、姫。そこに座れ座れ」
『姫』と言うわりには随分ぞんざいな扱いだけど、私が姫なら、この口の悪い人は王子さまなのか。
そう思っていたら、水樹さんが椅子を引いてくれたので、警戒しながらも座る。
そして上機嫌の水樹さんは次々とご飯を並べ始めた。
「わ、可愛い……」
デミグラスソースに沈むチキンライスは熊の顔で、卵がお布団のように乗っている。
ポトフに入っているニンジンはハートやお花の形。
極めつけは手作りプリンに刺さる旗。
「可愛いだろ。真用にこんなのならサッと作れるんだぞ」
た、確かに可愛いしスーツ姿でテキパキ作ったのが想像できる。
うちの侑哉は炒める系の男らしい料理が多いからこんな細かいのはできない。
……私もだけど。



