そんな甘い時間を引き裂いてくれたのは呼び出し音。





「ああ。来た」


気分を削がれた部長が明らかにテンションを落としながら、インターホンの受話器を取りに立ち上がる。






「今開けますねー。よろしくお願いします」


フッといつもの甘い営業スマイルを浮かべて、オートロックの解除ボタンを押した。



押した……?