「……やっべ」
「やっべじゃない! 馬鹿っ馬鹿侑哉! 馬鹿! 殴らせなさいっ!」
グーにした手を振り回しながら侑哉に掴みかかると、侑哉は苦笑しながらも神妙な面持ちで私を見下ろす。
「その、不妊治療ってお金かかるんだろ? パンフレットに書いてた。
大した金額じゃないけど足しにして欲しい」
「~~!」
駄目だ。抑えられない。
「馬鹿!」
涙をごしごし拭きながら、怒っていいのか泣けばいいのか、叱ればいいのか、喜べば満足なのか、
頭の中がぐるぐるぐるぐるして分からない。
「飛鳥さんが売られそうだった所を買い戻してくれたから、私が買った。もう支払いも済ませたからね」
「は?」
「こんな事、次したら私、もう、もう侑哉とは口聞かないからね! 馬鹿侑哉! 絶交なんだから!」



