中古バイクショップ?


「ドラッグスターってバイクはなかなか中古で良い状態のは売ってないって侑哉くん言ってたんです。やっと見つけたとか」


「……うん。2年バイトしてやっと買ったバイクだよ」


そういえば昨日既にバイクは無かった。

メンテナンスとか言ってたけど、疲れてたし私も深く追求しなかったし。




「侑哉くん……。優しいですよね。優しすぎるから、私なんて同情されてるだけなんじゃって不安になります」


坂を下りながら、ただただひたすらに前を見ている明美先生の顔に一滴の涙が垂れていく。


「でも私、同情されたい、慰めてもらいたいって思ったの。ズルいんです。侑哉くんより強かで嫌な奴です。私」

否定も肯定もする事は出来なかった。
でもやっぱり人間は強かなんだと思う。

私だって、そうだもん。


「侑哉が好き?」


赤信号で止まった瞬間、そう聞いてみた。