「え……」
かぁぁぁと、引いていた血の気が顔に集中し始める。
嘘っ
園長先生はオルガンの椅子に座ると、両手で口元を隠して少女のように笑う。
「明美先生と貴女は正反対で面白いなーって思っていたの。明美先生は『いいなー』とか『スゴいー』とか『私できないですぅ』とか甘えるのが上手でしょ?
でも貴女は黙々と努力してるの。誰にも甘えないで影でね。ちょっぴり甘えるのが下手なの」
そう言われると何も言えない。だって自分の気持ちを伝えるのをずっと逃げてきたから。
「大丈夫よ。貴女が努力してるって見てる人にはちゃんと見えてる。――もしかしたら貴女が努力してる事に気づいてくれた人ができたのかなって思ったら嬉しくなっちゃって、呼び出しちゃったわ」
うふふ、と笑う可憐な園長先生に心が癒される。
ずっとずっと、園長先生にはお見通しだったんだ。
「私……自分の気持ちを言うの逃げてばっかりで、それを悪化させちゃうような出来事もあって……」
でも。



