緊張した。
自覚して、いざ声を出そうとしたら緊張して変な汗が出てきた。
朝のバスで、部長の顔が見れなかったんだけど、部長は逆で、横から見たり覗き込んできたり。
真っ赤になりながら睨み返すと、少しだけ満足したのか口の端を上げる。
なんでこんな人にドキドキしてしまうんだろう。
意地悪だ。神様も部長も意地悪だ。
自覚した途端、中学生みたいに部長の表情1つで心が揺さぶられる。
「あ、今日はバスじゃなくて迎えに行く」
お残りバックを真くんが持っている。
部長がいるこの一週間は、お残りじゃなくてバスで帰っていたから久しぶりだった。
「分かりました。今日は私がお残りの先生するからねー」
親子遠足前日なのでベテランの先生たちが準備をして、私と明美先生がお残りをする予定。
久しぶりに明美先生と話せる気がする。
「別の誰かも迎えに行きたいんだけど?」
そう冗談っぽく言う台詞は、全力で聞こえないふりをした。
聞こえない。聞こえない。



