明美先生に侑哉を捕られるのが怖いなんて自分勝手な気持ちしかなくて。
それがずっとずっと侑哉を縛り付けていたんだから。
「――姉ちゃんは、あいつの事が好きなの?」
「え?」
「前の仕事場の部長さん。別府駅に迎えに行った時に俺に喧嘩売ってきた人」
喧嘩売って……?
いや、侑哉が部長を睨み付けていたのは覚えてるけど。
「――好き?」
そう改めて真っ直ぐにその言葉を突き付けられると、観念するしかない。
「まだ本人には言ってないから、言えないけど……」
部長が居ないのに、その言葉だけで胸がときめくから不思議。
「そっか」
ごしごしと腕で涙を擦ると、そっと私の腕の中から離れた。
「俺も明美が好きだ」



