――私、いつからこんな風に景色が映っていたのかな。
車の速度よりも早く、私の気持ちも変化していったのかもしれない。
意地悪だし、厳しいし、怖いのに、
優しいし温かいし、矛盾し過ぎているこの人に。
「まあ、有沢が言ってたのは、あながち嘘でもねぇよ。仕事が楽しくて、あんま女に時間取らなかったのは本当」
「――部長らしいです」
「なのに、今は有給まで使って此処にいるんだからダサいだろ?」
――有給使ってまで此処に何しに来たんですか?
そう聞こうとして聞けない自分が居る。
一歩踏み出せない。怖い。
それに、忘れてはいけないのは、私は侑哉が――。



