【完】神様のうそ、食べた。


まさか関係ない人に、逃げていた事を指摘されるとは思わなかった。
私だって有沢さんには言いたいことが山ほどあるのに我慢しているというのに、ペラペラと。

「だって本当だし。橘さんの彼女って大体がご飯作って洗濯したり、奥さんみたいに献身的に尽くすけど、全然橘さんが仕事で構わないからすぐに別れちゃうんだ。構ってちゃんにとっては橘さんは、恋人向きじゃないよ」


「ひ、人の事を告げ口するような人には言われたく、ないです。失礼しますってば!」



そう声を張り上げたのに裏返って震えてしまって、なんだかとっても自分が情けなくてダサすぎる。


でも、なんだか有沢さんの発言は、昨日の部長との夜を全否定するような発言で。
繋いだ手や、部長の煙草の匂い、夜景。

次から次へと泥を塗られた気分だ。

せめて有沢さんが人間的にも信頼できる人ならば、ちょっとは心が揺れたかもしれない。