【完】神様のうそ、食べた。



侑哉だけが私を『女』として見てくれるなら。
神さまに見捨てられた私も、存在できるような気がしたんだ。

あの日、「姉ちゃん」から、『みなみ』と呼ばれるようになったのもその証拠。


「だ、から、その、ごめんなさい。私、部長に、追いかけて貰えるような、出来た人間じゃ、ない、です」

震える声でそう言った。顔は上げられず、履かせて貰ったのに車から降りるのも躊躇しながら、そのまま動けずにそう言った。

カチッとライターの音と共に、苦い空気が鼻を掠めた。


煙草の煙を深く吐き出す音が、駐車場中に響き渡る様な気がする。

判決を待つような、いや既に死刑囚のようにただ決まられた言葉を待つのみの私に、部長はゆっくり言う。