「えっ?」
ごほっと咳き込みながら立ち上がると、部長は私に手を差し出す。
まだ熱も下がってないのかもしれないのに、会いに来てくれたんじゃないのかなって勝手に胸がドキドキしてしまう。
身勝手な私の鼓動に、本当に呆れてしまう。
丁度、月夜を背に手を伸ばすので、深い陰の中、じっと私を見る目が印象的に浮かび上がっている。
その手を取るのを、部長が待っていた。
「キスが嫌だったとかガキみたいなこと、言うなよ?」
「言い、言いませんよ!」
「キスの返事を貰おうと思ったら、あんな表情見せられるんだから腹が立った。お前ら、できてんの? ってかヤッた?」



