疲れがピークに達していたから、上手く思考が回らないんだ。
部長の車はどんどん坂を上り、ラブホがちらちらと視界に入る中、高速に乗った。
そっか高速道路の回りって、ラブホ多いもんね、とか
もう自分の考えている事の意味さえ分からない。
明美先生の肩を労わるように支える侑哉は、普通の恋する男の子なはず。
なのに私は、ぐらぐらと視界が揺れた。
不安でお腹が痛くなった。
痛くなったのは、あの支えてくれる腕は私のものだと、醜い感情が浮かんだからだ。
明美先生がポロポロ泣くのを見ながら、『侑哉にしときなよ』そう言いたかったのに声を出せなかった私が居た。
明美先生ももしかしたらその言葉を待っていたのかもしれない。
「お腹、痛いです……」
無言の部長は、前をずっと見ている。
私を見ようとはしない。
「そう言ったら弟君は心配してくれるわけか」
ハッと馬鹿にするように笑うと、すぐに見えるパーキングに車を止めた。



