「おねーちゃんが大切なら、その子置いて追いかけて来い」 「部長!」 手を握られ、そのまま引っ張られると靴を履くように顎で指示された。 「みなみ……」 侑哉の声は迷って揺れていた。 私の心も迷って揺れている。 部長は舌打ちすると、適当なサンダルを選び私と共に車に乗せる。 あの夜のことが思い出されたけれど。 現実は、意地悪だった。 神さまなんて居ないから意地悪だ。