渡された携帯を見つめながら途方に暮れてしまう。
出たい気持ちがないわけじゃないけ、ど……。
今は明美先生も居るし、そのどんな表情をしていいか分からないし。
せめて3コールぐらいで留守番設定すれば良かった。
「みなみ先生、私帰ります。その、明日は早番ですし」
「あ、明美先生?」
「――早く出てあげて下さい」
この時、私は偉そうに明美先生に説教したのが恥ずかしくなった。
明美先生は、ただ聞いてもらえたら良かっただけ。そして、それは序でにでしかなかった。
それに気づくのは、部長の電話を取ると同時に、
――侑哉が帰ってきたから。
『あのさ、もうすぐお前の家、着くんだけど?』
「どうした!? 明美、その顔……」
「ゆぅ……侑哉く、ん……」
『まあ、もう着いたから』
その光景は、私の心をかき乱すのには十分だった。
――侑哉の胸に飛び込む明美先生を見て、分かった。



