「初めてだったのに、自分だけ出したらさっさと終わって寝ちゃったんです」
「!?」
な、ななな何を言い出すんだ。明美先生は!
びっくりして珈琲が鼻に入るかと思った。
「みなみ先生は、経験ありますよね。婚約者もいたみたいですし」
えっ……!?
「婚約者って、有沢さんに聞いたの?」
「あっつ」
しまった、と顔を青ざめた明美先生は下を向く。
ダメだ。私の中で有沢さんへの好感度やら信頼度が地の底に落ちてしまった。
最低。嫌な奴。
「私、恥ずかしながら未経験です! 有沢さんには言わないでね。――ってかもう会わない方がいいんじゃないの?」
その後、どんなことがあって明美先生がボロボロになったのか知らないけど、――いやその手の話は苦手だからしたくないけど。
気になっている事はある。
「真君の本当のお父さんが有沢さんって聞いた?」



