「よし! おわったよ。せんせい、おしごとのじゃましてごめんね」
そう笑うと、私と手を繋ぐ。
「ううん。今日、初めて真君が笑ってくれたから、先生は嬉しいよ。先生のお仕事は、真君が笑顔になれるように頑張ることだよ」
「へへ。じゃあ、もっと笑うね」
「楽しい時だけでいいよ」
気を使わせてしまったことに苦笑しながらも、真君が笑顔になったんだからよしとしよう。
「もりのむこうのきょうかいでおいのりしたほうが、かみさまにとどくかな?」
「そうだね。でも今日はお天気だからきっと神様も真くんのお祈りを聞いてくれているよ」
「そうだとうれしいな」
真君は、太陽に負けないぐらいニコニコと笑って、保育室に戻った途端、ぐっすりと眠ってしまった。
おやつの時間になっても起きてこないぐらいに。
やっとほっと出来て緊張が解けたのだろうから、私も無理に起こさなかった。
お便り帳にぎっしりそのことを書いたけど、読んだ後では、真君のお祈りは効果が無いので、小さな紙に手紙を書いた。
『真君が、神様に早く元気になるようにお祈りしました。ちょっとだけ良くなったふりをしてあげて下さい。
私からもお祈りしますね』
そう、部長宛てに。



